性器ヘルペス
性器ヘルペスとは
性器ヘルペスとは、陰茎部に小水疱やかぶれができる疾患です。
男性の場合は、亀頭、陰茎体部に症状があらわれることが多いですが、大腿部(だいたいぶ:太もも)、臀部(でんぶ:おしり)、肛門周囲や直腸粘膜にあらわれることもあります。
女性の場合は、大陰唇(だいいんしん)や小陰唇(しょういんしん)から、 膣前庭部や会陰部(えいんぶ:外陰部と肛門の間)にかけて症状があらわれることが多いですが、子宮頸管(しきゅうけいかん)や膀胱にあらわれることもあります
性器ヘルペスは、女性のSTD(性感染症)感染者数の約12%を占め、クラミジア感染症や淋菌感染症に次いで、感染者数の多いSTD(性感染症)です。また、STDのうちもっとも痛みが強い疾患です。
性器ヘルペスの症状
発症の仕方により症状が変わります。
誘発型
過去に感染していたが、そのときは症状がなかったものの、体内には潜伏していて、免疫低下などにより再活性化され、その後初めて症状があらわれる場合を誘発型と言います。
手術、妊娠などにより免疫低下を起こした際に発症することが多いです。
症状は免疫低下の度合いにもよりますが、軽いことが多いです。水疱(すいほう)、潰瘍(かいよう)の大きさも小さく、治るまでの期間も短いです。
急性型(初発型)
感染の機会となる性交後、約7~10日後、38℃前後の発熱と共に、かゆみを伴った1~2ミリの丸い水疱が性器に数個出現し、同時に太もものリンパ節に腫れや痛みがでます。
特に、女性の方が男性より深刻で、高熱や、強い痛みから歩行、排尿が困難になり、入院が必要となることもあります。
再発型
ヘルペスは、一度感染すると、疲労、セックス、ストレスなどの刺激で再発することが多く、水疱(すいほう)や潰瘍(かいよう)が、初感染の時と同じような場所や初感染時の場所と左右対称の位置、もしくは臀部や大腿部にあらわれます。
女性の場合、再発の原因として上記の他に月経などが挙げられ、ほとんどの場合、再発する前にかゆみや痛みなどの前兆が見られます。
再発型の症状は、初感染の場合よりも症状が軽いことが多く、水疱(すいほう)、潰瘍(かいよう)の大きさも小さく、発熱、リンパ節の腫れなどは伴わないことが多いです。治るまでの期間も短くなり、1週間程度で治ることが多いようです。
性器ヘルペスの発症原因
性器ヘルペスはSTD(性感染症)のため、あらゆる性行為により感染します。セックスはもちろんのこと、オーラルセックスやディープキスでも感染します。また、病変部に触れた指で触ったタオルや食器から感染することもありますので、注意が必要です。
感染してから症状があらわれるまでは、おおよそ2日~10日くらいです。
また、感染しても症状の出ないケースは約70%あると言われています。
ヘルペスには1型と2型の2つのタイプがあります。口腔周辺には1型、性器や下半身には2型が感染することが多いです。しかし、1型が性器に感染する場合もあります。例えば、口腔周辺に感染した1型が、オーラルセックスにより性器に感染するケースです。
性器ヘルペスの治療法
性器ヘルペスは、薬の服用で治まりますが、体調不良などをきっかけに再発する場合があります。また、皮膚などに症状が出ない無症候性の場合もあります。
- 性器ヘルペス感染後の1年間の再発頻度
- ヘルペス1型の場合:平均1回
- ヘルペス2型の場合:平均10回程度
※2型の場合は(無症候性を含めて)再発頻度が高いと言われています。
性器ヘルペスは感染者を長年にわたって悩ますため、根気よく治療していく必要があります。しかし、傾向としては時間が経つにつれ、再発頻度は低くなっていくようです。
性器ヘルペスの治療には抗ウイルス薬が用いられます。内服薬や注射薬、軟膏がありますが、急性型には内服の抗ウイルス薬であるアシクロビルやバラシクロビルが使用されます。
このような抗ウイルス薬を投与しても再発は起こりますが、再発した場合は病変が小さいため、軟膏による治療で多くの場合は十分です。経口薬による治療も行われますが、再発後少なくとも2日以内に治療を開始しないと有効でないと言われています。
性器ヘルペスの赤ちゃんへの影響
妊婦が初感染した場合、感染時期によっては母子感染の可能性が高くなります。
新生児がヘルペスを発症すると20~30%が死亡すると言われています。
そのため、お産の際にヘルペスに感染している場合は、新生児への感染を阻止するために経膣分娩を避け、帝王切開がすすめられています。
性器ヘルペスの注意点
水泡(すいほう)や潰瘍(かいよう)ができている場合(再発型で症状が軽い場合でも)、それが治るまではセックスを控えなければなりません。